「少し大間に、ゆったりと」とお願いしました。
九月に入り、本来なら暑さも和らぎ、
風邪も涼やか、爽やかな季節、
の筈なのですが、
今年はとてもとても。
めまいのしそうな日差しの中、
お越しいただくお客様には、
ご苦労をお掛けいたします。

さて、そんな中で始まります、九月公演。
「良弁杉由来」では、
和生さんが良弁僧正、
文雀師匠が渚の方、
と師弟競演が話題です。

第二部「勢州阿漕浦」は、
昭和59年以来、久し振りの上演となります。
私は、代官奥村兵庫を遣わせて戴きます。

続いて「桂川連理柵」、
今回はじっくりと、
お半と長右衛門が深い仲となってしまう、
石部宿屋の段から御覧頂きますので、
お馴染、帯屋の段での、
それぞれの人物の葛藤も、
より深く、味わっていただける事と思います。

そしてもう一本が、一部に上演の
「鰯売恋曳網」。
新作とは言いながら、文章も作曲も、
古典の定法を、しっかり踏まえた作り方。
お稽古をしていて、全く違和感なく、
スッと入り込めました。
お芝居の内容は、お伽話ともいうべき、
肩に力の入らない、軽やかな展開。
幕がしまって、劇場を出られた時、
すっきり爽やかな気分で、お帰り戴けたら、
と願っています。

今回、振付をして下さったのは、
藤間流の宗家、八世勘十郎さん。
歌舞伎の「鰯売」も担当されています。
舞踊劇ではありませんので、
猿源氏の戦物語や、
蛍火のくどきなど、
所々に振りを付けて戴きました。

イケメンの猿源氏君
↑イケメンの猿源氏君です。

さわやか系蛍火さん
↑蛍火(私が遣います)さんは、さわやか系ですね。

うちかけを着た蛍火さん
↑うちかけを着た、後ろ姿、素敵でしょう。

普通ですと、人間の動きは速く、細かいので、
人形では、せわしなく見えてしまいます。
そこで戴いた振りを、ご相談の上、
少し間引かせて戴くこともあるのですが、
今回打ち合わせの時に、
「少し大間に、ゆったりと」とお願いしましたら、
たっぷりと、
それでいて文楽には無い動きも取り入れて、
面白く拵えて下さいました。
文楽の振り付けは、初めてとの事ですが、
やはりさすが!と感心いたしました。

さて、トリビアを一つ。
猿源氏が大名に化けた時の、
裃や着付けの紋、
丸に鰯三本なのですよ。
これは文楽オリジナル。可愛いでしょう?
歌舞伎では、役者さんの紋を付けるとか。
三本は、三島さんから来ているのでしょうか。

丸に鰯三本
↑丸に鰯三本、これは紋帳にはないでしょう。

暑い中、劇場まで足を運んで下さるお客様に、
喜んでいただけますよう、精一杯務めます。
九月公演も、どうぞ宜しくお願い致します。

豊松清十郎

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[2010/09/03 12:53] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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