梅雨の文楽・6「お察しの通り」
この天満屋の眼目は、
何と言っても徳兵衛が
お初の足を喉に当て、
二人だけの思いを
通じ合う所。

玉男師匠も初演の時、
足を見せるか見せないか
大いに悩まれた、と
聞いていますが、
皆様ご存じの通り
文楽人形の女形には
普段は足は吊りません。

そこで旅支度などで
裾を絡げた役に用いる
小振りの糸足を使います。

お初の足遣いにとって、
一番気になるのが
この糸足の出し入れ。

天満屋の
前手摺は
通常より低く
足遣いの手元が
お客様に丸見え。
一番の名場面で
足の出し入れが
見えてしまっては
何とも興醒め。

黒衣の袖に隠して
慎重に入れるのですが、
意地悪な事に
最初は左、
続いて右と
別々に足を見せなければ
なりません。

そこで登場致しますのが
コペルニクス的大発明、
その名も、
その名も・・・
あ、名前は
まだなかった。
まずはご覧戴きましょう。

7571-150618.jpg
パンパカパーン
こちらです!


右足と左足を一本に!
考え付きそうで
誰も思いつかなかった
この大発明の主は?
そう、お察しの通り
文楽のエジソン(?)
勘十郎さんです。

発想から
完成まで
僅か一日。
バルサを彫って
拵え上げました。

これで足遣いの
心の負担緊張は
グッと軽減。

一度裾に収めれば
左足を見せた後
入れ直す事無く
着物の中で
ぐるっと回転。
即座に右足が
出て参ります。

長年苦心を重ねて
簑助師匠のお初の足を
使った経験から生まれた
これぞ人形遣い
ならではの発想。

豊松清十郎

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[2015/06/25 18:29] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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