赤坂サカス文楽・6「身を清めます」
そして迎えた
公演初日。
楽屋入りすると、
お能の皆さんは
リハーサルの真っ最中。

こちらもあれや
これやと忙しく
しておりますと、
観世の方から
「盃事」のお招きが。

今回上演の
「翁」は
「能にして
能にあらず」
と言われ、
「夢幻能」と呼ばれる
複雑な劇形式を
世阿弥が完成する
遙か以前から
演じられてきた
大切な祝儀曲で、
他の演目とは
別格の物。

演ずるに
当たっての
仕来りも数多く、
演じ終えるまでは
女人禁制
(「これはあくまで
伝統を守る為であって、
けして女性差別では
ありません。
観世流は他の流派と
比べても女性の師範が
一番多いのですよ」
と御宗家清和さんは
笑顔で仰ってましたが)
という事で、
スタッフもお客様も
女性の方は締め出され
楽屋はピリピリと
張り詰めた雰囲気。

その仕来りの一つが
上演直前の
「盃事」。

出を待つ鏡の間で
出演者全員が
シテ方から順番に
三宝に飾られた
土器の中の
粗塩を振りかけ
洗米を
口に含み
御神酒を戴いて
最後に切火で
身を清めます。

本来は我々が
加われる筈の無い
そのお盃に、
英兄さん、
清介さん
そして私が
今回特別に
御一緒させて
戴いたのです。

お能の方とは
お付き合いも無く
身の置き所が
無かった私に、
宗家のこの
粋な計らいで
能楽師の皆さんとの
一体感が
生まれました。

豊松清十郎

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[2015/04/02 15:15] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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