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客席のあちこちから、ため息の声が洩れました。(大和公演・その2)
平成9年、
簑助師匠をお招きして、
野外公演の、企画が持ち上がります。
この年、予定していたイベントが無くなり、
町からの予算が、
たっぷり出る事になったのです。
師匠に御相談すると、快諾。

「鳴戸」に「曽根崎」の道行、という番組建ては、
師匠のお考え。
そのうえお弓にお初、更に人形解説まで、
出ずっぱりで、勤めて下さいました。
会場は、町内の明建神社。

拝殿が、能舞台になっていますが、
それを生かしての、舞台設営。
自らも野外公演を何度も主催して、
ノウハウを知り尽くした、
勘緑君が先頭に立ち、
大和の人達、スタッフと力を合わせて、
準備を進めて行きます。

当日、心配していた雨が降り、スタッフは大わらわ。
しかし「曽根崎」の道行前に、雨があがると、
会場がスモークを焚いたような、夕もやに包まれ、
その中をさまよい歩く、お初、徳兵衛の姿に、
客席のあちこちから、ため息の声が洩れました。

ムササビが樹々を飛び交う、
野外公演ならではの、ロケーションの中、
簑助師匠の遣う、
文楽人形の凄さ、美しさに、
大和の皆さんが魅せられた、一夜でした。

翌年からはまた我々が勤める舞台。
これまでと違い、
本物の芸を目の当たりにされたお客様方。
見捨てられないよう、取り組む姿だけでも見て戴けるようにと、
更に力が入りました。

豊松清十郎

*「大和公演」の詳細は、こちら をご参照ください。

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テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2010/07/02 08:21] | なまけず一所懸命 | トラックバック(0) | page top
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