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幕柝には、自分の世界が広がって行く喜びがあります。
いつの間にか、もう六月。
文楽教室も、開幕しました。
今月の舞台は、四つの配役。
「全ての組み合わせを見てみたい」という、
有難いお客様も多いのでは?
一つの役を、四人が語り、弾き、遣う。
当然そこに、競い合いが生まれます。
舞台の熱さ、だけならば、
本公演にも、負けません。

学生さんの団体が、中心ですので、
良いお席の取れない日も、あるかとは思いますが、
パンフ付きで、3600円、お得です!
各々が工夫した、解説もございますので、
「文楽は初めて」というお友達を、
お連れ戴く時にも、ピッタリ!
どうぞ、皆様お誘い合わせの上、
ご観劇賜りますよう、お願い申しあげます。
(すっかり、文楽宣伝マンの気分です)

さて、相生座で口上に触れましたので、
物はついで(?)、
今日は幕柝のお話を。

幕柝
↑幕柝です。白樫だそうです。

幕柝は、舞台進行を司る、とても重要な役どころ。
何しろ、幕の開け閉めから、舞台転換まで、
柝の音一つで、全て進んでいくのですから。

歌舞伎では「狂言方」という、専門職がおられますが、
文楽では、我々人形遣いの役割。
「小割り」に名前が載ると、その時が始まりです。
例によって、待っていても、何も教えては貰えず、
先輩方の様子を見て、あちらに聞き、
こちらに尋ねして、覚えて行きます。
幕を開けるにも、一体どこに柝を入れたら良いのか。
その為には、数ある鳴物の曲を、
ある程度知らなければ。

小割帳
↑これが小割帳です。主遣い、左遣い、足遣い等の人形部の役割が書いてあります。

小割帳のなかみ
↑小割帳を開いたところです。中央が主遣い、右肩が左遣い、左下が足遣いです。

幕閉めは、義太夫節の旋律。
三重なのか、段切れなのか。
いつも耳にしていた筈なのに、普段意識しない為、
その場になると、分かりません。
人形の決まりと、太夫の語りが、上手く調和するように、
折り合いも付けねばならず、
定式幕を引きやすいように、テンポ良く刻まないと。
全てを把握して、落ち着いてやれるまで、
結構時間が掛かります。

そして、一番気を使うのが、柝の音。
狂言方さんなどは、胸がすくような良い音を、
事も無げに出されますが、
ほんの僅か、勘所を外すと、
「チョーン」の筈が、忽ち
「ガチーン」に。
その怖さで、緊張すると、益々おかしくなります。

大道具の転換のきっかけ(今で言うキューですね)は、
たった一発、一丁柝で知らせます。
これが新人には、最大の恐怖。
刻みのように、たくさん打てれば、数打ちゃ当たるとばかり、
少しは気楽に、構えられます。

下手の御簾内
↑下手の御簾<みす>内の、望月さんの部屋を、撮らせて戴きました。

しかし、一丁柝にチャンスは一つ。
舞台では、たくさんの大道具さんが、自分の打つ、
この柝の合図を、固唾を飲んで待っています。
「絶対に、失敗は許されない。」
「うわーっ、あの人も、この人もこっちを見つめてる」
という大プレッシャーの中、皆さんの目の前で、
柝を持つ右手、左手が、
見事に「スカッ」と行き別れ、なんていう、
悲しい事もありました。

御簾内からみた舞台
↑御簾内は、二階にある為、舞台はこんな風に見えます。

でも次第に慣れてきて、
舞台全体も見渡せるようになると、
自分の柝で、芝居が動くという快感を、
味わう余裕が出てきます。
人形だけ遣っていたら、きっと知らないで済ませていた、
鳴物、舞台進行、大道具など。
ほんの少しかじっただけでも、自分の世界が広がって行く喜び。
今振り返って、機会を与えて貰った事に、
改めて、感謝しています。

今月も何人か、
チャンス(ですよね)を、貰った人がいるような。
耳馴染みのない、口上の声が聞こえたら、
緊張しまくりの、フレッシュマン。
心の中で声援を、どうぞお願い、申し上げます。

豊松清十郎

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テーマ:文楽 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2010/06/07 21:12] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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