もう中日です・5(こっくりこくりと)
この敦盛が出ると
思い出すのが
玉之助兄さん。

楽屋では親しみを込めて
玉ちゃんとも
呼ばれておりました。

小道具方も兼ねて
いらっしゃいましたが、
この敦盛は何人にも
けして譲る事なし。
玉之助がカゲアツか、
カゲアツが玉ちゃんか
一心同体、
不即不離、
永遠不滅の存在でした。

玉之助さんといえば
もう一つ、
切っても切れないのが
「菅原」の「佐田村の段」
喧嘩場の桜の介錯。

菅公、時平それぞれの
主人の事で
梅王松王兄弟が
言い争い、
やがてつかみ合いの
喧嘩を始めます。
勢い余って拝領の
桜の木を折って
しまいますが、
その桜担当が
これも必ず玉ちゃん。

二時間もある
長丁場の佐田村、
幕が開いた直後から
早くも桜の木の下に
座を占めた兄さん。

やがて手すりの陰で
こっくりこくりと
居眠りを始めます。

皆様からは
御覧戴けませんが、
私にすると
あの姿が
正に佐田村。

あの介錯だけは
兄さんでないと
ウーン、物足りない。

今の若い人が
そんな事をしていたら
どやされますが、
思えばのんびりした
時代でした・・・

豊松清十郎

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[2013/05/21 21:00] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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