一丁前の顔がシュンと(昔はよろしゅうおましたなぁ・その4)
舞台が、これまた楽しい事ばかり。
パンフレットを見直すと、
一年目から、
「新口村」の通り流し、
樋ノ口の水右衛門で、堂々と
名前が載っています。
二年目は、玉也(その頃は栄光)さんと、
「阿古屋」の、水奴を。
この水奴では、叱られた思い出が。

あの頃の巡業では、出演者の地元に来ると、
役を替わる事が、良くありました。
「あいつは、ここの生まれやから」
と、道行の三枚目から、
一枚上がってみたり、と。

それを見ていた私は、
そうする物だと、心得て、
ある日、阿古屋を遣っていた
玉男師匠に、
したり顔で、一言。
「○○は、ここの生まれですから、
水奴、替わりましょうか?」
「阿呆かっ!」
と、一喝されました。

今思えば、玉男師匠も、
さぞかし、驚かれた事でしょう。
まだ入りたての、中学生が、
一丁前の顔をして、そんな事を、
言い出したのですから。

思い出は、尽きませんが、
一歩引いて見ると、その頃は、
時代の変化と共に、文楽も、
様々な物が大きく移り変わる
転換期だった様に思います。

在来線が、新幹線や飛行機へ。
駅前旅館が、ビジネスホテルへ。
芝居小屋が、市民会館へ、
興行主も、民間から、行政主体へ、
と変わっていく、端境期で、
その両方を体験できたのは、
今にして思えば貴重な経験でした。

また日を改めて、思い出すままに、
お話しさせて戴こう、と思っております。
その時は、どうぞ又、お付き合いの程を。

豊松清十郎

(やっぱり、腰を据えてのシリーズになりそうです)

にほんブログ村 演劇ブログ 古典芸能へ 豊松清十郎にご声援を!

テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2012/08/22 08:30] | なまけず一所懸命 | トラックバック(0) | page top
トラックバック
トラックバック URL
http://seijuro5th.blog113.fc2.com/tb.php/356-72cead20
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |