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御質問ズバリ回答ふたたび・その三番「修行し直して参ります」
最後は先日「蝶道」の
御質問を戴いた
大橋さんから再び。

なんたる事!色は薄墨色ですが
綺麗な秋草、
骸骨の衣装ではないのですね。
うーん、これを見た時は
妖しいライティングと怪奇音の中、
骸骨になった蝶が乱舞している、
まるでキングのホラーシーンの様で
震え上がったのでした。
お二人の熱演に幻想を見たのか、
三味線隊に目をやりつつ
怖いもの見たさで
「チラッ、チラッ」と見ていたのが
悪かったのか・・・
今度からはオペラグラスを持参します。
前向きに捉えるならば、
私の質問に勇気を得て
これからたくさんの質問が
寄せられると思います。
それが一巡して
ネタに困った頃に
教えて戴きたい事があります。

「八陣守護城」浪花入江の段で
正清が曲者をバサッと切った後に
雛絹がスーッと近づいて行って
さらっと刀を清めてあげる所が
ありましたよね。
「お嬢さん危ないよ」と
ハラハラしていたのが一転、
カッコいい!と雛絹を
尊敬したシーンでした。
がこれは、
武士の妻たる者にとって
極々普通の所作なのでしょうか。

文楽を見始めたばかりにつき、
毎回「はて?」と思う事が出てきて
微妙に気になっています。
図々しくて恐縮ですが
いつの日かお教えいただけたら
と願っています。


はい!分かりました。
いつの日か、と仰らずとも私が
即この場でお答え致しましょう。

実は私も、
どうも不思議に
感じておりました。
中間、奴ならいざ知らず
まだうら若き雛絹が、
いかに武家の娘とは言いながら、
目の前に突然現れた曲者に
格別驚きもせず
出会って間もない舅が
今切り捨てたその刀を
水で清め懐紙で拭うなんて。

まず感じたのは歌舞伎だな
という事。
大体
「待ち合わせ」※が多い狂言は、
歌舞伎的な場面が多いのですが。

※語りが止まり人形の仕種があって、
動きのきっかけで再び語りが始まる所

お芝居の筋書き、進行よりも
役者の魅力、美しさを
引き出す事に主眼を置く、
江戸歌舞伎に影響を受けた
演出かと思います。

上演頻度の少ない「八陣」。
「鬼一法眼」の菊畑の様に
文楽では途絶えていた場の演出を、
歌舞伎の方から教えを乞うて
復活したのかな、と思い
お聞きした所
昔からの型だとの事。

しかし、やはりこの場は
写実では無く
様式美の世界だと思います。

大海原を進む船上の舳先に立ち、
いきなり切りつける刺客にも
酒に仕込まれた毒にも
全く動じる素振りも見せず、
大胆不敵、
泰然自若
超然と大笑する正清。
ここはもう理屈抜き。
一幅の絵の様な
その美しさに浸りきり
ただもう酔って戴くこと。

その錦絵の様な場面に
華を添えるのが雛絹、
そう感じました。

雰囲気を壊さぬ為には
流れを止めぬ所作の間と
形の良さが肝要。
この場は雛絹の心情よりも
そこに力を注ぎました。

理屈で考えたらおかしな事。
しかしお芝居を見ている間は、
少しもそれを感じなかった。
そうお客様に見て戴くのが
人形遣いの芸。
そこを目指して勤めた筈が、
こんな御質問が来た、
という事は・・・
修行し直して参ります。

まあ私の事は兎も角、
今回の雛絹の行動は、
お芝居の上での事
なのではないか、
そんな風に思います。

ズバリ回答!とはいかず
申し訳ございません。
どなたか武家の風俗に
お詳しい方がいらっしゃいましたら、
是非御教示賜ります様に。

基本的にヒマ―な私ですが、
ちょっと面白い仕事も
入ってきております。
その様子を皆様に
御紹介するのを楽しみに。

御意見、御質問も
ドシドシお寄せ下さいませ。
お待ち致しております。

豊松清十郎

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[2012/06/27 08:28] | なまけず一所懸命 | トラックバック(0) | page top
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