四月公演御案内〔第一部「加賀見山旧錦絵」その2〕
続く
「廊下」で弾正一味の陰謀を、
計らずも知ってしまうお初。
物思いに沈む尾上を気遣い、
甲斐甲斐しく仕えるお初。
ここでお初が芝居に事寄せて、
尾上の無念を聞き出そうと、
引き合いに出すのも
忠臣蔵です。

覚悟を極め涙ながらに
書置きを認める尾上。
それとは知らず
薬湯を煎じる初に、
次々と起きる不吉な予兆。

この場面は襖を隔て、
二人の芝居が同時進行、
とってもドラマチックです。

やがてお初を
使いに出し、
独りになった尾上が、
死を目前にした
一人語り。

激しい動きはありませんが、
ここまで耐えに耐えた尾上が、
最後に初めて明かす
初や母への思いは、
涙なくしては見れません。

またまたドラマチックに
場面は転換。
あまりの辻占の悪さに
取って返したお初の目の前に、
事切れた尾上の死骸。

ここでのお初の嘆きから、
奥庭へ走り去るまでは、
ダイナミックでスピーディーな
(片仮名多すぎ!)
息もつかせぬ展開。

激しい動きのその中に、
折々現れる一瞬の静寂が、
これまたインプレッシブです(またぁ)。

そして「奥庭」。
言い逃れをする岩藤に、
それを許さぬお初。
手に汗握る死闘の末、
主の仇を見事討ち果たすお初。
二人の息詰る立ち回りも、
見どころの一つです。

忠義を尽くしたその心根と共に、
お家を謀反から救った功により、
二代目尾上として
中老に取り立てられる段切れは、
正に胸のすく思い。
小気味の良い
痛快な幕切れです。

日頃のストレスを洗い流して、
気分はスカッと爽やかに、
清々しく晴々とお帰り戴ける事
疑いなし。
是非皆様お試しを。

豊松清十郎

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[2012/04/06 16:30] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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