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お馴染みのお客様も何人か。(新春公演御礼・其の参)
出発は道頓堀に掛かる、
その名も「戎橋」から。
ここでは先ず皆様に、
一言ご挨拶をせねばなりません。
御一緒するのは、
歌舞伎の市川右近さんと、
山村流家元の若さん。

橋のたもとに設えられた、
舞台から見下ろすと、
平日とは思えぬ、
たくさんの人出。
ご挨拶慣れしている、
お二人と違い、
普段でも口の回らぬ私。
堂々と闊達に話される、
右近さんを尻目に、
順番を待つこちらは、
どんどん固まるばかり。

その時、
ふと下を見ると、
勘十郎兄さんと奥様が、
ニッコリ笑って手を振る姿が。
その笑顔に、
ふっと緊張が解け、
どうやら詰る事も無く、
ご挨拶は終了。
兄さん、助かりました。

ここで駕篭に乗り込み、
いよいよ、
今宮戎に向かいます。
人形は、今月遣いました、
道行の静御前を。

難波の商店街を、
あちらへこちらへ、グルグルと、
余す所なく巡ります。
分厚い座布団に座って、
高い宝恵駕篭の上から、
見下ろすなんばの街。
戎橋筋、千日前通り、なんば花月など、
見慣れた筈の街並みが、
ひと味もふた味も違って見えて、
気分は壮快。
いいもんです。

静御前で上品に手を振れば、
皆さんニッコリ笑顔で、
振り返して下さる。
気分はまるで、御成婚の時の
美智子さま(古い!)

あちらの辻、
こちらの角と、
駕篭を追いかけ、
何度も顔を見せて下さる、
お馴染みのお客様も何人か。

「ほーえかご、ほいっ」と言う、
軽妙な掛け声にのって、
駕篭は進んでいきます。
尤も駕篭とは言いながら、
他と比べて重たい(人形と二人前です)
文楽の宝恵駕篭、
担ぎ手が大変なので、
昨年から車輪を付けて、
だんじり風になりましたが。

豊松清十郎

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テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2012/01/29 10:00] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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