兄さんたちの思いをしっかり受け止め、生きていきたいと思います。
玉松兄さんが亡くなりました。
三月は、玉英さんに続いての訃報、
残念です。

兄さんは、紋十郎一門で、私とは叔父、甥の関係になります。
入った時から可愛がって頂き、
あちこちの個人的な仕事にも、
声を掛けて貰いました。
子供の頃は、子役で芝居にも出ていたという、兄さんに相応しく、
あの頃、超売れっ子だった、花登筐さんのお芝居にも、
人形遣いだけで無く、
台詞をもらって、役者としても登場されていました。
子役仲間だったという、
金田龍之介さんと、
とっても親しくお話しされていたのを、覚えています。
実際、役者になっても不思議はない位、いい男、男前でした。

兄さんからは、いつも芸人のオーラが漂っていました。
とっても大胆な色遣い、デザインの洋服でも、
見事に着こなしてしまいます。
和服姿がこれまた粋で、
ざっくりと浴衣を羽織った姿は、
我々にはとても真似の出来ない、生粋の芸人の物でした。

立役遣いとしては、躰<からだ>はけして、大きくはありませんでしたが、
二枚目だけでなく、荒物も遣われました。
そして、三枚目。
とにかく陽気で、積極的で、失礼ですけどおっちょこちょい。
いつも楽屋の人気者でしたので、遣われるチャリの人形も、
何とも言えない可笑しさがあって、
お客様だけでなく、
楽屋内の人形遣いも、思わず噴き出す事が、度々でした。

玉松という名前は、吉田玉蔵という大名跡の前名で、
兄さんにとってはお父様の名前でもあり、
紋彌から玉松を襲名された後も、更に玉蔵を名乗るべく、
頑張っていらっしゃいました。
それが、体調を崩し、引退という事になり、
千葉県の館山に落ち着かれました。
海が見える小高い山の上にある、素敵なログハウスでしたが、
楽屋育ちの兄さんには、少し寂しかったかも知れません。

玉英さんに続いて、思いを残して亡くなる人が、また一人。
御冥福をお祈りすると共に、
兄さんたちの思いをしっかり受け止め、
今、舞台に立てる喜びをかみしめて、
生きていきたいと、思います。

豊松清十郎

にほんブログ村 演劇ブログ 古典芸能へ 豊松清十郎にご声援を!

テーマ:文楽 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2010/03/20 12:21] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
トラックバック
トラックバック URL
http://seijuro5th.blog113.fc2.com/tb.php/23-cc9d9e21
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |