ここで、研究生についても一言。(文楽研修生の日々2)
二年目に入ると、人形志望の生徒は、
楽屋実習の時間が中心に。
若手の先輩達と共に、
小幕の開け閉めや、
小道具の介錯などを、経験しながら、
実際の本公演の舞台で、
学んでいきます。

正月公演の後に行われる、
修了発表会の舞台で、
二年間の研修を、卒業すると、
入門先を決めて、いよいよ技芸員に。
この時の師匠は、劇場が勝手に決める訳ではなく、
あくまでも、研修生の希望が第一。
師匠が引き受けて下されば、
これで目出度く入門、
文楽協会と契約を結び、
プロとしての第一歩を、
踏み出す事になる訳です。

ここで、研究生についても一言。
研究生は、直接師匠に弟子入りした人が、
技芸員になるまでの、見習い期間。
勿論授業などは無く、
いきなり舞台に放り込まれて、
怒られながら、覚えて行きます。
期間も、その時々で様々。
私は中学生でしたので、
三年間、研究生でした。

研究生は、
見習いとは言え、
既に入門していますので、
言わばプロのはしくれ。
たとえ技芸員となった日は、同じでも、
顔(舞台の序列)は、研究生が上。
私も玉輝さんより、一枚上になっています。
研究生と研修生、良く混同されますが、
こんな違いがあるのです。

七番教室の大きな鏡です
七番教室。大きな鏡です。

さて、人形の授業に使うのは、
文楽劇場の四階、七番教室という、
一番大きな稽古場。
講師と、それを補佐する助手の、
二人で進めて行きます。

鏡を見ながら真剣です
鏡を見ながら真剣です。

立つ、歩く、座るという基本から始まり、
やがて棒足、六法、石投げなどの型、
また女形は膝立てなどが加わります。

玉勢君
立役の助手は、玉勢君。

動かす足の格好は、勿論大事ですが、
それと共に、主遣いの動きに、
付いて行く事も大切。

右足が出たのか、左足か、
一々足元を見て、確認していたのでは、
間に合いません。
慣れて来れば、主遣いの動きが、
手に取るように感じられ、
たとえ目を瞑っていても、自由自在、
ピッタリ添える様になります。


立役の稽古人形
立役の稽古人形。


ツメかしらを使っています
ツメかしらを使っています。

足拍子を踏む、これがまた大切。
間の確かさに加えて、客席に響き渡る、
大きな音を聞かせる為には、
腰を落とし、かかとに体重を乗せて、
しっかりと踏み抜く事。

この腰を落とすという作業は、
足遣いにとどまらず、
この先主遣いになっても、
体を動かす元となる、大事な基本。
あの高い下駄を履いて、広い舞台を、
縦横無尽に走り回れるのも、
腰が落ちていればこそ。


研修用の特製の手すり
研修用、特製の手すりはこちら。

自分の体の備え、体重移動、
しっかりバランスを保つ、という事は、
こうして足遣いの時から、培われて行く。
ですから、この足拍子、
決して疎かには出来ません。

豊松清十郎

にほんブログ村 演劇ブログ 古典芸能へ 豊松清十郎にご声援を!

テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2011/07/16 16:27] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
トラックバック
トラックバック URL
http://seijuro5th.blog113.fc2.com/tb.php/229-21978137
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |