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取り組み方を変えてみました。(六月鑑賞教室御礼・其の一)
大阪では暫くの間、
梅雨明けを思わせる夏空が広がり、
猛暑の毎日が続きました。

そんな暑さにかまけて、
つい、ほけほけしている内に、
気が付けば、もう7月。
6月公演の御礼が、
すっかり遅くなってしまいました。
遅ればせながら、先月を振り返って、
少しばかり。

先ずは、鑑賞教室に続いて行われた、
文楽若手会。
今年は、例年以上に入りが良く、
お客様の温かな拍手と共に、
出演者も、大きな励ましを戴いて、
普段以上の力を出す事が、
出来た様に感じました。

たくさんの皆様の御来場、
誠に有難うございました。
来年も若手会を、宜しくお願い致します。

私も稽古を入れて三日間、劇場に通い、
客席から、また舞台袖から、
芝居を見ておりました。

これは別に、若手に指導したり、
アドバイスを送る為ではありません。
自分の勉強の為です。

手伝い、端役、脇役でしっかり腕を磨き、
満を持して、堂々と舞台に臨む人、
役に対しての、思いは十分にありながら、
まだそれを形にする、技術が追いつかない人、
普段経験できない、大役を戴いて、
どこから手を付けたら良いのか、
迷いの中で、暗中模索の人など、
其々に様々ですが、
各々の取り組み方が、
即そのまま、自分自身にも重なって、
これからどう取り組み、
どう進んで行こうか、
という事を、改めて考えさせてくれるのです。

「取り組む」と言えば、
今回の勘平、
いつもと少し、取り組み方を変えてみました。

元来人形遣いは、若い人を除いて、
舞台の前は、人形を持ちません。
人形を持つのは、
真剣勝負、
本番の舞台の上だけ。
役を戴くと、床本を読み込み、
テープで浄瑠璃を繰り返し聞いて、
役のイメージを作り上げ、
更に記録のビデオなども参考に、
先輩師匠方の遣いを研究して、
初日を待つ。

頭の中で、準備を全て済ませ、
舞台に立って、初めて本格的に、
人形を持つ。
そしてそこで感じた物を、
次の舞台に生かしていく。
これが一般的な、
人形遣いのやり方。

舞台に立ってから、かしらの向きが、
手の高さが、と迷っていては、
一番大切な、役を表現する、
と言う事を、見失ってしまいますし、
稽古している所を見せるのは、恥という、
プロとしての、美意識もあります。
しかし私は、それが出来ません。

格好良く行きたいのは、やまやまなれど、
実際に持っておかないと、不安で不安で。
長く持てば、上手くなる訳ではない、
という事も、重々承知の上ながら、
ヒマがあれば鏡の前で、
人形をひねくりまわす。
このやり方も、
人形遣いの間では、
慎むべき事と、戒められています。

舞台に立てば、鏡は無いのですから、
理屈で考えれば、当然の事。
いつも鏡に頼っていては、
本番の役には立たない。
分かってはいるのですが、
それがなかなか。
とうとうこの年まで、来て仕舞いました。
でも本来の人形遣いのやり方、
その格好良さに、ずっと憧れがあります。

豊松清十郎

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テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2011/07/04 10:10] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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