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ボクも連れてってぇな。(払い物は小遣い稼ぎ2)
この払い物、
人形だけではなく、
大夫、三味線にも御座います。

大夫さんですと、
沼津や大井川で、
「箱根八里は」と唄われる馬子歌や、
太十の幕開き、「南無妙法蓮華経」のお題目、
忠臣蔵茶屋場の、「手の鳴る方へ」の仲居さんなど。

今月でしたら、二つ玉、
与市兵衛が、無残に殺される時に、
遠くから聞こえる、「南無阿弥陀仏」。
念仏やお題目を唱えて、お小遣い。
ちょっとお得な気もしますが、
浄瑠璃が止まり、静まり返った舞台で、
高い調子での、あのナマイダは、
人一倍の緊張感。
皆それぞれに、苦心、苦労がある様です。

三味線はメリヤス。
立ち回りや、
場面転換の時などに、
演奏されます。
そして、床で弾かれる旋律に、
あしらいで加わる、
高音(たかね、細棹三味線)や、
胡弓なども。
野崎村のやいと(お灸)の場面で、
床裏から聞こえる、
あの三味線です。

二つ玉では、与市兵衛が定九郎に、
無念の思いを、切々と訴える所で、
胡弓があしらわれています。

しかしこれらの払い物、
役になると、戴けません。
今回胡弓は、床には上がらず、
くぐり戸を細めに開けて、
床裏での演奏。
お客様には、御覧戴けませんが、
プログラムに「胡弓、誰々」と、
名前が載れば、それは本役。
普段のメリヤスなら、浴衣で弾く所、
役と言う事で、清公、錦吾両君も、
黒紋付で勤めておりますが、
払い物は、戴けません。
これは、他の二業(?)も御同様。

出番前の清公君
出番前の清公君。きちんと着付けを着ております。

錦吾君
錦吾君。こちらは高音を持ってます。

同じ「なまいだぁ」の念仏でも、
曽根崎の道行の時は、床の裾に座る、
ツレの大夫の、持ち分ですので、
給金の内。
人形ですと、狐忠信や八重垣姫を遣う時の、
狐には当然出ませんし、
「雪狐々姿湖」で登場する、
右コン、左コン達、大勢の狐さんも、
本役ですから、御座いません。

何かと、懐のさびしい若手にとっては、
ちょっと嬉しい、
この払い物。
まとめて支給の楽日には、
猪勤めたあの二人も、
しし鍋囲んで反省会、
なんて事になるんでしょうか。
おーい玉路、勘介ぇー、
ボクも連れてってぇな。

豊松清十郎

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テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2011/06/21 09:05] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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