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実際に見ていただければ、一目瞭然なのですが。
お臼の人形には、
「突き上げ棒」という、30cm程の竹の棒が付いています。
この突き上げは、立役には必ず付いていて、
手に持ったり胸で受けることで、
人形の形を決めたり、重さを助けたりします。
しかし、女方に付けるのは、非常に珍しいのです。

では何故、突き上げがあるのか。
これは、お臼の人形が、肩をすくめる時に使います。

本来立役と女方の人形では、「肩板」の構造が違います。
女方は、首1) の動きに肩の動きが沿う様に、
「一枚肩」
というただの板に、首の嵌まる溝を切っただけの物を、
立役は、それでは力強さが薄れるので、
首だけが独立して動くように、
「肩車」という部品を加えます。
何故かと言いますと、
首と肩の動きが連動すると、
無用の色気が出てしまうんですね。

ただし立役でも、
白木屋の番頭丈八ですとか、
笑い薬の萩の祐仙などの三枚目には、
一枚肩を用いる時があります。
これは突き上げを使って首を前に押し出すと、
襟が抜けたようになり、
三枚目のおかしみが出るためです。
どうも文章でお伝えするのは、むずかしいですね。
実際に見ていただければ一目瞭然2) なのですが。

お臼でも、
割身というおどけた振りの所で、
突き上げを使って首をすくめるのですが、
これがなかなか鮮やかにできません。
師匠方は、ごくごく自然に遣われるので、
お客さまからも、
思わず笑い声が響く、とこうなるのですが、
私らが遣うと、必死でやってもわざとらしいばかりで・・・

私にとっては久し振りのお臼。
せめて皆様に、
微笑み位は、浮かべていただけますでしょうか。
これもチャレンジ。
せいぜい肩の力を抜いてガンバリます。

豊松清十郎


1) 首:「かしら」と読んで、人形の頭のことを言います。
2) 一目瞭然:ぜひ、この「一目瞭然」の機会を、「ファンの集い」といった形か、なにかで、つくっていただきたいものです。

(2010年3月・「ふれあい文楽・ヴィアーレ座」あれこれ・その3)

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テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2010/03/10 09:33] | なまけず一所懸命 | トラックバック(0) | page top
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