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今思い出しても、顔から火が出る思いです。(4月公演御礼・その5)
そんな風でしたが、
一週間もすると、
少しは勘所が掴めて来ます。

人形をあまり高く構えず、
舞台下駄は、いつもより高めの物を。
前帯の下に隠した右手で、
胴串を支えてやると、
うん、こりゃぁ具合が良い。
やっぱりこんな人形は、力で持つんじゃ無く、
コツで持つものさ。

芝居の流れにも、段々乗れるようになり、
慣れたら結構やれる物だと、
一人悦に入っていた、中日すぎ。
勉強の為、取って貰ったビデオを見て、
愕然としました。

人形が縮こまり、前屈みで、
まるでおばあさんの様。
松の位の太夫の、格も何もありません。
遥かに小さい筈の、おのぶより、
かしらの位置が、低いのですから。

改めて、
簑助師匠が遣われたビデオを見たら、
30センチ以上も、構えが高い。
それでこそ、宮城野太夫です。
そんな人形を遣っていながら、
自分自身は、すごいドヤ顔。
どひゃー、恥ずかしい。
出来ればもう一度、
初日からやり直したい。

でももう、すでに時遅し。
楽をする事ばかり考えていた、
自分に対する、天罰です。
あのドヤ顔。
今思い出しても、顔から火が出る思いです。

それからは、とにかく構えを高く。
自分の顔が、引きつっていようが、
固まっていようが、構わない。
一幕のペース配分など考えず、
途中で人形が上がらなくなったら、その時の事。
遣えもしないのに、遣っている様な真似はやめて、
人形を”持つ”事に、専念しました。

ここからが、本当の勉強。
いやいや、本当に重かったデス。
ただ持っているだけ、
それだけに必死の毎日。
何も結果は残せなかったけれど、
この先の修行に、大切な事を、
たっぷり学ばせて戴きました。

豊松清十郎

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テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2011/05/02 16:15] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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