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爽やかな笑顔が、印象的でした。(4月公演御礼・その2)
さて、今月戴いた、二つの役について。

まず、襲名狂言の葵御前は、
今回で四回目。
品良く、姿良く、邪魔にならずに存在感を、と
取り組み、自分なりに手応えも、
感じる事が出来ました。

しかしその嬉しさよりも、
今月葵御前で舞台に立っていて、
強く印象に残ったのは、
新藤蔵君の三味線。
床とは離れた舞台に立っていても、
ビシビシと伝わってくる、
その気組みに、驚かされました。

今回、晴れの襲名の舞台ながら、
源大夫師匠は、残念ながら休演。
そこへあの大震災。
何事も無くても、大仕事の襲名披露に、
二重、三重の重荷が加わって、
さぞかし、大変な毎日だった事と思います。

一生に幾度と無い、
晴れの舞台、
私ですと、失敗を恐れ、まずは無難な所で、
と守りに入ってしまうのですが、
藤蔵君は違いました。

贔屓のお客様が、待ちに待った、
大切な舞台だからこそ、
思いがけぬ事が次々に起こり、
窮地に立たされたからこそ、
思い切り攻める道を、選んだのです。

源大夫師の代役は、
英兄さん。
藤蔵君にとっては、大先輩です。

しかし、切場の経験は、彼の方が豊富。
源大夫師との、これまでの舞台を再現せん物と、
英兄さんを、グイグイ引っ張って行く、
その意気込み、気迫。
ただ切っ先鋭く、と言うだけでなく、
間取りを大きく、大夫がしっかり息を引いて、
大きな間取りで語る様に、仕向けたり、
息の詰んだ所では、気合いに満ちた掛け声で、
大夫を叱咤激励したり。
まるで、真剣勝負の稽古の場が、
連日舞台に再現された様で、
思わず私も、引き込まれました。

果たせるかな、
千秋楽の舞台は、
客席からの盛んな掛け声と、
大きな拍手に包まれ、
素晴らしい成果を上げました。

と言っても、舞台を下りれば、
いつもと変わらぬ、にこやかな藤蔵君。
額に青筋立ててピリピリ、
などと言う事はありません。
さすがは若い時から、切場を任され、
数々の修羅場を潜り抜けて来た、
彼ならでは。
楽日の舞台を終えて、挨拶に来た時の、
爽やかな笑顔が、印象的でした。

豊松清十郎

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テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2011/04/29 16:10] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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