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難しいけど、面白い。難しいから、面白い。(四月公演の役への思い・其の2)
例えば、実盛が物語っている時、
どの言葉で反応し、どの辺りで、
泣き始めたら良いのか。

あまり大袈裟に反応すると、
実盛を邪魔する事になります。
小さな驚きを積み重ね、
固唾を呑んで見守る所に、
実盛の一言。
「白旗持ったる肘<かいな>をば
海へざんぶと切り落とし」
ここで全員が、大きく驚く。
そこまでを、どう計算するか。

何も考えず、
一々の言葉に反応すると、
驚き方のパターンも、尽きてきます。
いつも同じ驚き方を繰り返していては、
人形に心が通っている様に、見えません。

泣く時も同じ事。
実盛物語の場は、悲しい事ばかりが、
次々に起こりますから、
見聞く辛さに目をそらす、
顔を振り上げて泣き上げるなど、
変化を付けないと、ただもうずっと、
下を向いているだけになって仕舞います。

こういう時に、
演技の引き出しが、
どれだけ有るかも、問われるのです。
師匠方ですと、泣く仕種一つ取っても、
けして同じ様には、遣いません。
仮に同じ動きであっても、
微妙に強弱、間取りなどで、
変化を持たせる。
だからこそ、御覧になる皆様も、
まるで生身の人間の様な、
息遣いを感じる事が出来るのでしょう。

公演記録のビデオを見る時は、
ただ形の美しさばかりでなく、
そんな所にも、目を向けます。
まあビデオでは、
主役の動きばかりで、
脇の人形など、写っていない事が、
度々なのですが・・・

やはり、生の舞台を見る事、
足、左を遣う事が一番。
「てったいは、いっとかなあかんでぇ」
という、師匠方のお言葉が、
今更ながら、身に沁みます。

こんな風ですから、
同じ役を何度いただいても、
飽きるという事は、ありません。
当然ながら、語る方によっても、
遣いがガラッと変わって来ます。

前回より、今回、
今回より次回、と云う風に、
自分の成長を計る、
物差しにもなりますので、
何回も、繰り返し勤める事、
むしろ、私は大好きです。
ギオンコーナー好きというのも、
こんな所が、
理由の一つでしょうか。

難しいけど、面白い。
難しいから、面白い。
目立たないけれど、とっても地味だけれど、
お客様には、見て戴けないかも知れないけれど、
自分の動き、リアクションが、
舞台の感動に、
厚みを与えている。
そんな秘かな自負を持って、
四度目に挑みます。

豊松清十郎

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テーマ:豊松清十郎 - ジャンル:学問・文化・芸術

[2011/04/02 11:00] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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