東京二月公演ご案内・其の八(第三部「義経千本桜」後編)
後半、手負いになって、戻ってきてから、
碇もろとも、入水するまでの悲壮感も、格別。
将来、自分が遣うかどうかなどには、関係無く、
この場が出ると、
袖に走っていました。

そして今、知盛は玉女さんに。
足、そして左と、師匠を支えてきた、
玉女さん。

私には、
玉女さんの遣う左手の、
形や、息、間取りを見るのも、
大きな魅力でした。
主役の手伝いは、
ただ主遣いについていく、
というだけでは、務まりません。
これから遣う人形の役柄、性格を理解し、
浄瑠璃も、全て把握した上で、
更に、遣い手の息を、呑みこまぬ事には、
とても、主遣いの動きに、沿えません。

つまり、左、足を遣いながら、
同時に、その人形を遣っているのも、同じ事。
入門以来、
玉男師匠の手伝いを、
繰り返し務めた、
玉女さんは、その度に、
かしらこそ持たずとも、
自分の中で、知盛を遣い、
練り上げて来たに違いない、と思います。

これは、典侍局を遣う、
和生さんも同じ。
主遣いとして、役を務めるまでに、
お二人とも、頭巾の中で、
たっぷりと、稽古を積み重ねていました。
文楽の舞台稽古は、一日だけ、
と言うと、
皆さん驚かれますが、
こんな、秘密もあるのです。

安徳帝は、子供と言っても、天皇の役。
遥か昔に、私も遣いましたが、
お安に、身をやつしている時から、
何か、常人とは違う、雰囲気を出さねば、
と思って、懸命に遣いました。

西に向かって、手を合わせ、
辞世の句を読む、健気な姿には、
涙される事と、思います。

義経を遣う
文昇君は、襲名してから、
東京のお客様には、初お目見え。
どうぞ、旧に倍する御声援を、
お願い致します。

豊松清十郎

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[2011/02/04 16:00] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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