東京二月公演ご案内・其の五(第二部「菅原伝授手習鑑」中編)
続いて
「車曳の段」
ここは、
立役の型の、オンパレード。
立ち見得、六法、石投げに、かんぬき、
江戸腹、巻き足、弓張りに、大笑いと、
息もつかせず、次から次に。

ツケも鳴物も、ふんだんに入って、
ある意味、スポーツ感覚。
遣い手も、スカッと愉しい、一幕です。
いかに形良く、豪快に決まって、
お客様を、惹き込めるかが、勝負になります。

そして
「佐太村」へ。
本来一幕ですが、二時間近くの大曲の為、
大夫が、分けて語った所に、その場の特徴から、
それぞれに、名前が付いています。

4月の襲名狂言
「源平布引滝」の、
「九郎助住家の段」が、それぞれ、
「糸つむぎ」「瀬尾十郎詮議」「実盛物語」
と、呼ばれているのと、同じですね。

「茶筅酒の段」は、
三人の嫁と、 白太夫との、
微笑ましいやり取りが、魅力。

祝いの膳を、拵える場面では、三人が、
メリヤスの、軽快な曲に乗って、
米研ぎ、味噌擂り、包丁さばきを見せます。

その中で、何をやっても駄目なのが、
八重。
失敗する度に、客席から笑いが、生まれます。
鮮やかな手さばきは、勿論ですが、
わざと、下手にやるのも、なかなか難しい物でして。
それにしてもレトルトも、冷凍食品も無い時代、
普段、桜丸は、何を食べさせられて、いたのでしょうか。

続く
「喧嘩の段」では、
車曳の段で、
一触即発で別れた、梅王と松王が、
とうとう、喧嘩を始めます。
刀こそ使いませんが、大の男が、
蹴って叩いて、組んず解れつ。
文楽の立ち回りの中でも、
長い部類に、入るのではないでしょうか。

二人とも、着物を尻端折りして、
足がしっかり見えますので、ごまかしが効かず、
足遣いは、神経を使う所です。

夫に怪我が無いか、とハラハラ見守る、
二人の女房、
春と千代。
目立たない様ですが、気を抜かず、
身の細る思いを、姿にしないと、
途端に、お芝居全体が、味気ない物になります。
目立たぬ役が、難しいのです。

白太夫と八重が、氏神詣でから帰ってからが、
切場の
「桜丸切腹の段」
桜丸が出て来るまでを、
「訴訟の段」として、
もう一つ分ける時も、あるのですが、
住師匠、一時間近くを、通して語られます。
お元気で、意欲も衰えず。
私達も、嬉しくなります。

豊松清十郎]


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[2011/02/02 21:10] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
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