たとえ至らずとも、それでこそ本当の挑戦だ。
海女<あま>は、曲だけの部分が長く、
舞台袖から拝見している限りでは、振り事だけで、
後は、
タコと賑やかに踊れば良い、
と思っていました。

ところが、前回、遣うに当たって、
文雀師匠に、御自分の遣われたビデオを見せていただいて、
ガラリと印象が変わりました。

しっとりした動きの中に、
男に捨てられた悲しみがしっかり表され、
手数だけでは、決して、遣えない、
難しく、また、それだけに深みのある、
面白い役なのだと。

如何<いか>に海女の悲しみを形に表すか。

前回は、技術的にとても追い付かず、
勝手に遣り易く変えていた所を、
今回、出来る限り師匠の形のまま、
つまりは本来の振り付けに忠実に遣ってみたつもりです。
「たとえ至らずとも、それでこそ本当の挑戦だ」
と思いながら。

文雀師匠にも、
毎日、様々にご注意をいただき、
心から感謝しています。

この様に、実際の弟子でなくとも、
やる気のある者には指導して下さり、
またそれを、
実の師匠も、見守って下さる、
これが、文楽の素晴らしい所です。

豊松清十郎

(2010年2月・東京公演を終えて・その2)

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[2010/02/24 08:34] | なまけず一所懸命 | トラックバック(0) | page top
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