後半戦に突入です「美しい緊張の舞台を」
ええっと、
何のお話でしたっけ。
いかんいかん、
ついつい入り込み過ぎて
質問を忘れてました(汗)。

そうそう床の三味線弾きは
舞台を見ているのか
いないのか。

私は門外漢ですので、
伊達、
十九、
呂、
咲、
津駒
そして前回の
千歳太夫と
様々な大夫さんと組んで
数多くこの場を勤めた
富助さんにお聞きしました。

「床でキョロキョロすると
まず見苦しいし
緊張もほどけてしまうので、
極力見ません。
人形遣いの足取りは
舞台稽古でほぼ
腹の中に入れて、
後は舞台から伝わって来る
気配を頼りに様子を探り、
最後の弾き出しの
きっかけだけは
ほんの一瞬目の隅で
確認しているけど
お客様には分からない筈。
舞台に顔を向けて待つ
などという事は
考えられません」

との事でした。

これは
その後のお芝居で
石堂右馬丞が
検視の場から
立ち去る時など、
待ち合わせから語り出す
太夫さんも同じこと。

以前舞台稽古で
ついつい舞台に顔を向け
人形のきっかけを待つ
若い太夫さんが
住師匠から
「舞台見たらアカン!」
とキツイお叱りを
受けていたのを
思い出します。

そしてこの
責任の一端は
我々人形遣いにもある事。

舞台から伝わる気、
とでも呼ぶ物を
漂わす芸力があれば
おのずとその気配は
床に伝わるに違いない。

三業が
切磋琢磨して
美しい緊張の舞台を
作り上げていかねば
と思います。

ブルーベルさん。
お尋ね戴き有難うございました。
こんな素敵なご質問を
まだまだどしどし
募集中。

書ける時には
お答えします。
(しつこい!)

さていよいよ後半戦。

日もまだ短くこの寒波。
さすがに夜の部は
少々苦戦中。

お染久松の物語。
今月夜の部は
通し上演で
グッとストーリーも
分かりやすく。

また終演は午後8時と
通常より
早めてございます。

東京、大阪全ての本公演に
大入りが出るという
素晴らしい成果を上げた昨年。

年改まった本年も
続けて
その願いが叶いますよう
変わらぬご後援を
宜しくお願い申し上げます。

皆様劇場でお目に掛かります。

豊松清十郎

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[2017/01/19 21:47] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
後半戦に突入です「格段だけに各段に」
お芝居が進む
という演出です。
この待ち合わせが
格段に多いのが
御覧戴いた忠臣蔵。

今ちょっと頭の中で
繰ってみても
二段目松切の本蔵、
三段目進物の伴内、
同刃傷の師直、
四段目切腹の判官、右馬丞、
同城明渡しの由良之助、
五段目出合いの弥五郎、
同二つ玉の勘平、
六段目身売りの一文字屋、
七段目一力の、いや
一力は出る人出る人
待ち合わせばかり。

格段だけに各段に。
(オヤジです)
待ち合わせの宝庫忠臣蔵。

「待ち合わせの満漢全席やーっ」
という所ですが、
大変なのは
床、特に
太夫の皆さん。

義太夫が中断し
再び始まるその時の
きっかけとなる人形の
動作のタイミングを
外してはいけません。
きっと語ってい時より
緊張しているのでは?

再開の始まりは
太夫の科白から
というのが大半の中
この四段目は珍しく
三味線で始まります。

「諸士は返す詞もなく
一間もひっそと
しづまりける」
の文句の後
塩谷家家臣の
諸士人形が
切腹の支度を整える中
通さん場に相応しい
張りつめた緊張の場に
聞こえてくるのは
俗にから二(空二でしょうか)
と呼ばれる
二の糸の開放弦を
同じ間で弾く三味線の
重々しい響きのみ。

やがて支度が整い
死装束の判官が
樒(しきみ)を四隅に置き
青畳に白布を敷いた
切腹の場に静々と歩み
由良之助の到着を
待ちかねる思い入れで
座につくのをきっかけに
ツンツンと三味線が鳴ると
「力弥御意をうけたまわり」
の文句で上手の襖が開き
九寸五分を三宝に載せた
力弥が姿を現して
再び芝居が
進んでいきます・・・。

豊松清十郎

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[2017/01/19 18:45] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
後半戦に突入です「そこに例外が」
さてここで
ガラッと
趣きを変えて
「ご質問ズバリ回答」
のコーナーを。
(その昔こんな事も
やっておりました)

年末のブログ記事で
「何かご質問は?」
と書きましたら
ブルーベルさんから
早速こんなご質問が。

「忠臣蔵拝見しました。
四段目切腹の場面は
緊張が場内に満ち満ちて
独特な雰囲気でした。
シーンとした中
人形だけが
演じていますが、
時々、しかも絶妙の間で
三味線の音が入ります。
それが私の見る限り
三味線の方は舞台を
見ていないのです!
本当はこっそり
見ているのでしょうか?
すんごい横目で
見ているのでしょうか?
気になります・・・」

成程なるほど。
気になりますよねぇ。
それでは私が
ズバリ!と
お答え致しましょう。

まず基本的に浄瑠璃は
止まる事はありません。
その場の情景も状況も
科白の一つ一つも
全て語りと三味線で
表現するのが
義太夫節です。

しかしそこに例外が。
それが「待ち合わせ」
(と言ってもデート
ではありません)
と呼ばれる物。

人形がある仕種
所作を済ますまで
太夫、三味線が
演奏を止めて
無音、
また時には
メリヤスの曲で

ん?
メリヤス?
という方はこちらを

GOGO!メリヤス隊!!・1「そもそもこれは・・・」
GOGO!メリヤス隊!!・2「皆様は如何でしょう」
GOGO!メリヤス隊!!・3「点無しでゴメン」
GOGO!メリヤス隊!!・4「一瞬ドッキリ」
GOGO!メリヤス隊!!・5「考えた事なかった」

豊松清十郎

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[2017/01/19 14:36] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
後半戦に突入です「奇しくも今年」
実は(実はばかりですが)
今回の組み合わせ
私の考えではありません。

今を去る事
35年前、
昭和57年と言いますと
私がまだ24歳の頃
当時の朝日座で上演した
同じ「安達原」四段目を
NHKが中継放送した
その録画ビデオを見て
思いついたのです。

清十郎師匠が袖萩、
床に
越路、
弥七の両師匠という
至宝の舞台。
(因みにお君は
私が遣っておりました)

このビデオは
先程
「衣裳が若く感じる」
と仰ったお客様に
お借りした物。

浄瑠璃は勿論、
その人形の哀れさと言い
姿に残る品と言い
お君に注ぐ情愛と言い
師匠の袖萩が絶品。
私にとって正に
お宝ビデオとなりました。

まだまだ若い59歳で
この世を去った
清十郎師匠。
奇しくも今年その年齢に
追い付く事になる私。

衣裳部を始めとして
我々を支えてくれる裏方、
スタッフに感謝して、
亡き師匠の芸に
たとえ半歩でも
近付く事が出来る様
千秋楽まで励みます。

豊松清十郎

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[2017/01/19 10:33] | あきらめず文楽一途 | トラックバック(0) | page top
後半戦に突入です「思いを汲んで」
前回の組み合わせ、
実は盲目の役柄でも
年齢のずっと若い
「生写朝顔話」の朝顔が
着ている衣裳そのまま。

やはり袖萩が着るには
少し若さが立っている様に
感じます。

公演前このお願いをしてみると
衣裳部の方で少しためらいが
ありました。

それは紫の昼夜帯。

きっと舞台を
御覧のお客様には
気付かれないだろう
と思いますが、
この帯
実は
相当の年代物。

2178mini-20170117.jpg
なかなか粋な帯ですが

2174mini-20170117.jpg
この様にすり切れて

2175mini-20170117.jpg
帯芯が見えています


近くで見ると
この様に
帯芯が見えるまで
黒繻子が擦り切れて
いたのです。

瞽女唄と三味線で
儚い命を繋ぐ所まで
身を落とした
袖萩には
似つかわしい帯かとも
思いますが、
そこはそれ古物は
決して使わない
文楽の衣裳部。

倉庫の隅に眠っていた
この帯を
世に出すのは
如何な物かと
きっと随分
悩まれた事だろうと
思いますが
こちらの思いを汲んで
快く承知してくれました。

豊松清十郎

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[2017/01/18 20:30] | あせらず清十郎 | トラックバック(0) | page top
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